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▲e.maxによって製作されたオールセラミッククラウン
ここでは、二ケイ酸リチウムガラスを主成分とした歯科セラミック材料、主にイボクラービバデント社のe.maxという加工システムについて述べていきます。
e.maxの主成分である二ケイ酸リチウムは曲げ強度360~400MPa(メガパスカル)を有するセラミックス材料で、1本の歯でクラウンを製作した場合には非常に高い耐久性を持つ素材です。

ジルコニアクラウンとの比較


ジルコニアで作るクラウンの短所は、ジルコニアフレーム(コーピング)に盛られた外側のセラミックの強度が80~120MPaと弱いことです。もちろんフレーム自体が土台となり、衝撃のクッションとなっている事もありますが、1000MPaの強度を持つジルコニアフレームが破損しなかったとしても、盛られたセラミックが破損する可能性もあります。
疲労耐性に注目
e.maxの前のシステム、エンプレス1~2にもこの二ケイ酸リチウムが使われていました。その時の曲げ強度は、
| 加工システム名 | 曲げ強度(Mpa:メガパスカル) |
|---|---|
| エンプレス1 | 100MPa程度 |
| エンプレス2 | 350MPa程度 |
| e.max | 360~400MPa |

N:ニュートンこの数値だけを見るとe.maxは前身のエンプレス2に比べ、約50Mpaほどしか数値が上がっていませんが、注目するべき点は、疲労耐性にあります。
Ivoclar Vivadent社が行ってきた実験結果として、二ケイ酸リチウムで製作されたたe.maxの場合、中のフレームがなくクラウン全体が360~400MPaの強度を持ち、特に長期間の咀嚼運動にも耐えられるという結果が出ています。それに比べ、中にフレームのあるジルコニアクラウンは低い荷重で、少ない咀嚼回数しか耐えられなかったという結果が出ています。
咀嚼運動による疲労耐性の検証
Petra C Guess, RicardoZavanelli,Nelson Silva and Van P Thompson, New York University, March2009
1*十万サイクルで90%の試験片が破折
2* 百万サイクルにも一切の破折なし
e.maxが対応できる技工物
クラウン、インレー、ラミネートベニア、ブリッジなど
e.maxの特徴
まだ、発売されてから2年ほどで、当クリニックも臨床に対する検証データが少ないのですが、2010年9月現在で感じているe.maxの特徴です。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
|
|
ジルコニアとe.maxの使い分け
今までは、ジルコニアオールセラミッククラウンに見られるようなキャスタブルセラミック(キャスト法)が主流でしたが、これからはe.maxに見られるようなプレッサブルセラミック(プレス法)もシェアを拡大するものと思われます。
ジルコニアが「割れる、割れる」という意見も、実は歯科技工士と歯科医師の技量がチッピング(欠ける)の問題を改善したりします(技工の製作の過程や設計、歯科医師の歯の形成の仕方などで)。
ジルコニアもe.maxもどちらも長所・短所がありますので、患者さんの口腔内の状態・主訴・審美的な要望を考慮して、使い分けていきたいと考えております。


